うちの子は字が書けない

『うちの子は字が書けない』千葉リョウコ(ポプラ社)2017年7月7日発売

40人学級に3人いるのに「誰も気づけない障害」を実体験をもとに描いたコミックエッセイ。

主人公は、著者でマンガ家の千葉リョウコさん。
千葉家の長男・フユは、小学2年生になってもなかなか字が書けるようにならなかった。
ノート1ページの漢字練習に1時間かかる、黒板の字を写しきる前に消されてしまう……

他のことは問題なくできるのに、なぜ?

原因を探ってみても、なかなか理由はわからなかった。

フユ小学5年生の夏休み。
教育委員会主催の講演会で知った、「発達性読み書き障害(発達性ディスレクシア)」。

知的発達に問題がなくとも読み書きだけが困難。
何度書いても字が覚えられない。
読みは文脈で読めるけど書くほうでは間違える…。

それはフユの状況にぴったりとあてはまっていた。
専門機関の検査を受け、フユは「発達性ディスレクシア」だとわかった。

障害は、病気ではないので「治る」ことはない。
でも仕組みや特性をよく知って、適切なトレーニングをすれば、今よりも字が書けるようになる。
今、障害に気づけたことに、とても意義がある。

監修の宇野彰先生(筑波大教授、LD・Dyslexiaセンター理事長)との対談を加え書籍化。